【記憶】兄とエルマーのぼうけん

娘が小学校から本を借りてきました。
エルマーのぼうけん
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懐かしい本です。

私には1つ上の兄がいて、その兄が好きな本でした。子供のころの兄は、寡黙で優しく、大人びて思慮深い人でした。
1歳ちがいの兄妹で一度もケンカした記憶がないというのは、自分の子供たちを見ているとほとんど奇跡のように感じます。
小さい頃は、よく兄の後ろを追いかけていたけれど、気が付くといつも手をつないでくれていた気がします。

兄はいつも私を守ってくれました。たぶん誰よりも私のことを理解してくれていたと思います。隠れていても、必ず見つけてくれました。
「死んでたらどうしようかと思った」と言われたときは、絶対ひとりで死ねないなと思いました。


あるとき、両親が「お前たちは、お父さんとお母さんとどっちと住むんだ?」と聞いてきたことがありました。
私は、怖くて答えられませんでした。

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りゅうのくびにまきつけてあったつなは、まあ、せかいじゅうでもいちばんふとくて、じょうぶなものでした。

お母さんが怖い顔で睨んでいて、お父さんは能面みたいな顔でした。
どっちと答えても、もう片方に怒られると思いました。どっちと答えても、今後の生活は楽しくないと思いました。黙って、泣きそうになるのをぐっと我慢していたと思います。


でも、兄は違いました。
しばらく考えたあと、

「僕はこの家を出る。はるさきと一緒に住む」

と答えました。
嬉しかったです。急に希望が湧いてきたように感じました。

兄と住む。父も母もいないところで!

りゅうも、エルマーが、自分をたすけにきたことに、きがつきました。
りゅうは、ぐるぐるはしりまわり、それからちゅうがえりをしました。こんなにうれしがったりゅうの子どもは、せかい中にいままでいなかったでしょう。

「そうする!」と言った瞬間びんたが飛んできましたが、兄と一緒なら平気でした。兄はすごいなー、と心底感じました。幼い私は、ずっと兄と一緒にいようと思いました。

このとき兄はたしか8歳か9歳。

今思い出しても、兄は強い子だったと思います。
結局は子供だけで暮らすすべもなく、母方に引き取られたんですが、兄が一緒というだけでどれほど心強かったことか。

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エルマーとりゅうは、だれがなんといおうと、どうぶつ島なんかにもどるものかとおもいました。

出典:エルマーのぼうけん / ルース・スタイルス・ガネット作 ルース・クリスマン・ガネット絵 渡辺茂男訳 福音館書店


兄は働きながら夜間大学に通い、その後はずっと海外で働いています。遠く離れ、お互い小さな子供がいるので、めったに会うこともありませんが、兄がいるということは私にとって大きな拠り所です。

8歳の娘は、エルマーのぼうけんをどんな気持ちで読むのか。
ママもそれ好きだったよ、と言ったら、
じゃあ次は「エルマーとりゅう」にする?それとも「エルマーと16ぴきのりゅう」がいい?とのこと。
どっちもいいね。エルマーならなんでも好きだよ。


暗い話なってしまいましたが、『エルマーのぼうけん』おもしろいので超おすすめです!